近ごろワーホリで来られる方も多いケロウナ、日本では「出稼ぎワーホリ」なんて言葉も一時ニュースで取り上げられていましたが、近年カナダ人ですら就職困難なこの不景気下で、英語が第二言語のワーホリさんや学生さんがパートタイムの仕事を見つけるのは、簡単とは言えない状況が続いています。
バンクーバーやトロントなどの都会よりは競争率が低いと言われているケロウナでも、夏の観光ピークを迎える前の春などはシーズナル(季節限定)のお仕事は見つかりやすいですが、秋・冬は天気とともに、仕事探しも氷河期そのもの。そんな季節にパートタイムのバイト探しをすることになった筆者のりまきが、ケロウナでの仕事探し実体験をもとに、カナダでの職探しに役立つであろう仕事探し情報をまとめました!
筆者は永住権取得済み、カナダでの職歴や英語力もそれなりにありますが、限られた希望の時間帯がネックとなり、数年間のブランクを経ての仕事探しは簡単ではありませんでした…
まずはレジュメを作ろう!
何の仕事に応募するにしても、履歴書が必要になります。カナダでは履歴書は一般的に、レジュメ(résumé)と呼ばれ、職歴や学歴、スキルなどをまとめたものをパソコンで作成します。顔写真は不要です。
見やすいレジュメを作るために
中身はもちろんですが「見やすいレジュメ」を作成することはとても重要です。イチから作るより、テンプレートを使って作成することをオススメします。
以下のオンラインサービスは、あらかじめ見やすいレイアウトで作られているテンプレートも豊富ですし、出先などでもオンラインでアクセスできて便利です。
- Canva(レジュメテンプレート)
- Google doc(レジュメテンプレート)
後述しますが、応募先がレジュメの自動読み込み機能を使うことがあるので、きちんと読み込みされやすいシンプルなレイアウトを選びましょう!
また、文字色は黒 (#000000) にしないと、印刷した時にボケます…!
カナダで一般的な紙のサイズは「レターサイズ(8.5in x 11in)」、日本のA4サイズより少し短いものになります。日本から持ってきたパソコンや、ソフトの設定が日本語になっていると、デフォルトのA4サイズで作成されてしまうことがあります。レジュメ作成開始時にドキュメントのサイズ設定を「Letter」にするのを忘れないようにしましょう。
レジュメの中身は何を書く?
一般的なテンプレートに共通している、レジュメの項目は以下のようなものがあります。
- 自分の名前、連絡先
- 電話番号
- Eメールアドレス(ふざけたアドレスではなく、自分のフルネームのものを取得しましょう)
- 住所(細かく書かず、市だけ書けばOK)
- 自分の持っているスキル
- 職歴(ボランティア含む)
- 肩書
- 会社名・場所
- 働いていた年・月
- 業務内容
- 学歴
- 学校名
- 学位
- 卒業年
- Availability(働ける曜日・時間など)
(お前が言うなと言う感じですが)レジュメにおいて誤字脱字・文法ミスはご法度です。もちろん英語ネイティブスピーカーの方にチェックしてもらうのも良いですが、自分でタイプするのも時間がかかるので、Chat GPTなどのAIサービスに頼ってしまいましょう。筆者はカバーレターも何もかも、ほぼ全部Chat GPTに書いてもらいました。「もうちょっと経歴カッコよく盛って!」「この経験ないけどそれらしく書いて!」などと日本語で指示をしても大丈夫です(笑)。最後に一度、自分で目を通しましょう。
また、カスタマーサービス業とオフィス業など、異なる職種に応募する場合は、職種ごとに大体作り分けておくと良いでしょう。職種によって目立たせたい職歴やスキル、学歴などの順番や内容を変えてましょう。
筆者はデザイン系、事務系、カスタマーサービス系で3種類のレジュメを作りました!それぞれに職歴や持っているスキルを変え、応募する前にはポジションによって毎回必ず微修正を施していました。
レジュメが完成したら
出来上がったレジュメは、メールで添付するにしても印刷するにしても、どのデバイスでも正しく表示・読み込みされるようにPDFで出力しておきます。(CanvaはダウンロードでPDFを選択、Google Docは印刷でPDFを選択して出力)
ケロウナで印刷する場合は、以下のところで印刷できます(2024年12月現在)。図書館とStaplesはカナダのどの都市にもあるので、参考にしてくださいね。
図書館
図書館のパソコンからプリンターにアクセスできます。パソコンを利用するのにライブラリーカードが必要になります。印刷はモノクロ1枚25セントです。
Staples
自分のパソコンやスマホからアップロードし、アクセスコードを使ってStaplesのプリンターで印刷できます。USBなどからもプリントできます。
以下のリンクからアップロードすると、24時間有効の8桁のアクセスコードが発行されます。Staplesの店舗にあるプリンターで、アクセスコードを入力して印刷します。印刷はモノクロ1枚18セント(税込)です。
その他、ローカルのプリントショップでもプリントできます。少し高くつきますが、上質紙へのアップグレードなども受け付けてくれますよ。
求人を探し、応募する
レジュメが完成したら、求人情報を探して早速応募していきましょう!長期戦が見込まれる場合は、下の図のようにスプレッドシートやメモで応募履歴を作っておくと良いかもしれません。筆者の場合、忘れたころに突然電話がかかってきて店名が聞き取れず、どこに応募したのか覚えていないこともあったので(笑)この表はとても助かりました。
オンラインで求人を探す
Indeed、Job Bank などの求人ポータルサイト
Indeed、Job Bankは、求人情報がいろんなWebサイトから集められている求人ポータルサイトです。とにかくたくさんの求人情報を得られますし、特にIndeedはレジュメを一旦登録しておくとワンクリックで応募できるため、ユーザーが多く競争率が高いです。Indeedで自分のアカウントを作ると応募履歴から応募のステータスは見られるのですが、レジュメが開封すらされていないこともしばしばありました。
Indeedでは求人情報を得るだけにしておき、その情報を元に、例えばレストランであればレジュメをドロップオフしにいく、オフィスなどであれば自社サイトを探して直接メールを送るなど、Indeed外からのアクションを起こしましょう。
地域とキーワード(例:Dishwasher)を登録すると、それにあった求人が投稿されるとアラートメールが送られてくるシステムがあります。少しタイムラグがありますが、活用しましょう!
Castanetなどのクラシファイド
Castanetはオカナガンローカルの老舗ニュースメディアサイトです。売買と求人のクラシファイドも運営しており、ローカル企業がよく求人を載せます。Castanetはクラシファイド機能が残念なため、求人には直接の連絡先が載せられていることが多く、またあまり人気がないサイトなので(苦笑)、返信率がとても高いです!オカナガン民は毎日チェックしましょう。
個人的にCastanetを通じて取引した人で、感じ悪い人に会ったことがありません…!さすがケロウナローカル!
大手チェーンの自社サイト
ファストフード・スーパーマーケット・小売店などカナダ全土にチェーン展開している企業は、大体が企業のWebサイトに求人情報と、応募できるプラットフォームを構えています。ほとんどのサイトで、ロケーション別の求人検索が出来ます。アカウントを作成し、レジュメをアップロードor入力しておくと、求人が出ているグループ企業の複数のロケーションに、一度に応募することが出来ます。
このアカウント作成とレジュメやAvailabilityの入力は非常ーーーーに面倒です。ここでたまに、レジュメをアップロードし、自動読み込みした上で入力が完了するサイトがあります。このために前述した通り、レジュメはシンプルなレイアウトで作っておくのがオススメなのです…!
しかしこちら、非常ーーーーに面倒が故に、競争率が低いようです。アプリケーションも直接店舗に送信されるため、返信率の高さと返信の早さは随一でした!応募したその日、翌日に電話がかかってくることも。
こういったチェーン店の企業は、研修やマニュアル、制度がしっかりしているので、バイト初心者にもおすすめです。ローカルも移民も多く、私たち日本人も働きやすいです。最低賃金のところが多いですが、ベネフィットもありますよ。
ほんの一部ですが、カナダに多いグループの自社求人サイトも集めてみました。
その他、オンラインでの仕事探しに使われるツールも軽く紹介いたします!
- LinkedIn
- 仕事関係のコネクションを作りたい時(でもプライベートのSNSは共有したくない時にも…)、フルタイムの仕事を探す時用に。アカウントを作成し、内容を充実させ、常にアップデートしましょう。スカウトが来ることもあります。
- SNS(Instagram / X (旧 Twitter))
- 特にインスタではローカルレストランなどの求人が出ることがあります。当ケロウナinfoアカウントでも、知人の依頼で求人を投稿することがあります。
- カナダの日系サイト(人材カナダ / JP Canada / e-maple)
- 日系企業が少ないケロウナの求人はあまりありませんが、カナダ全土の日系企業の仕事を探すことができます。
オンラインでの求人は、鮮度が命です!求人がかかり、一度面接に呼ぶ人達が決まってしまうと、あとから来たアプリケーションには目を通してもらえません。求人が出た日、遅くとも翌日までに応募し、第一波に乗ることが大事です。
知り合い・学校などに紹介してもらう
全部人任せはよろしくありませんが、とにかく友人知人、ルームメイトやホームステイ先、学校など周りの人に仕事を探していることを伝えまくりましょう。案外、実は仕事を探しているなんてことは言われないとわからないですし、知人が働き手を探している、なんてこともよくあります。
また、学校のキャリアプログラムなどで紹介してもらえる場合は、使わない手はありません。学校から送られてくる求人は必ずチェックして、相談しましょう。
カナダでは、コネは悪いことではありません。特にパートタイム・バイトのような仕事では、Reference チェック(雇用先が採用前に前職場などに働きぶりや人柄を確認すること)がないことが多いので、その人をよく知る人物から紹介してもらうことは、働き手にとっても雇用主にとっても、確実でwin-winな方法と言えます。
筆者も一件の仕事は、日本人の友人から紹介で決まりました!友人からの紹介の場合、一気に面接まで進むことが多いです。
直接お店で応募する
飲食店などでは店内や店先に、Now Hiring(現在募集中)のポスターなどが貼ってあることがあります。もしポスターを見て、手元にレジュメがありお店が忙しい時間帯でなければ、すぐに応募しちゃいましょう。ポスターが無い場合でも、オンラインで求人が出ている場合は、この方法でレジュメをドロップオフしてOKでしょう。なんなら求人が出ていない場合でも、ここで働きたい!と言う気持ちがあれば、聞いてみるのもアリです。
店舗でのレジュメドロップオフは、必ず忙しい時間帯を避けて「求人を見た or 仕事を探しているのですが、Hiring Managerはいますか?」と丁寧に聞きます。運が良ければマネジャーが在店で、面接してくれることもあります。
もしマネジャーがいなければ、いつ・何時頃在店なのかを聞き、担当してくれた店員さんに一旦レジュメを渡し、後日来店するなり連絡をするなりします。飲食店などで食事をした場合は、チップもしっかり置いていきましょう… !未来の同僚となるかもしれない店員さんは意外とあなたのことを見ていて、マネジャーに報告することもあります。一次面接と思いましょう。
いずれの応募方法でも、返事がなければフォローアップをしてみましょう!
その他、ジョブフェアーに参加する、なんて手もあります。筆者は参加したことがないのですが、公的団体のWorkBC、移民サポート団体のKCR、LocalWork.ca などがよくジョブフェアーやキャリアエキスポを開催しています。観光シーズンが近づいてくると、ホテルなどのHiring Fairも行われます。
ドキドキ!いよいよ面接
応募(アプリケーション)が通ると、まずはだいたい電話で面接の連絡が来ます。電話連絡では、面接に呼ぶ前に電話口で、シフトの時間に出られるかなど応募内容に相違がないか確認するプリスクリーニングが行われる場合もあります。落ち着いてよく聞き、ゆっくり話しましょう。プリスクリーニングが通ったら、そのまま電話口で対面やオンラインでの面接の日時が組まれることが多いです。電話面接だけで、仕事が決まることもあります。
そしていよいよ面接にお呼ばれしたら…!カナダではもちろん職種によりますが、当記事で紹介しているパートタイムなどの仕事であれば、面接もカジュアルな服装で大丈夫です。個人的見解ですが、その職場でそのまま働ける服装+少しだけ身綺麗に、が目安かと思います。
職種にもよりますが、筆者がカスタマーサービス系の面接で実際に聞かれた質問は次のようなものになります。事前に考えていても全然違うことが聞かれたりしますが(笑)、ひとりでも英語の面接の練習はとても大事!しっかり口に出して、シュミレーションしておきましょう。
- Can you tell me a little about yourself?
自己紹介をしてください。 - What are three words that describe your personality?
あなたの性格を表す3つの言葉は何ですか? - Can you describe a time when you dealt with a difficult customer?
難しいお客様に対応した経験を教えてください。 - How do you manage multiple tasks or prioritize your workload?
複数のタスクをどうやって管理し、優先順位をつけますか? - How do you handle negative feedback or criticism from customers?
お客様からの否定的なフィードバックや批判をどのように対処しますか?
とある面接では上記の質問に対して、「過去の職場で実際に経験した内容を、具体的に説明して」と言われ、数秒で数年前の記憶を辿る羽目になりました。日本語でもうまく答えられなかったのでは…と思ったのですが、その場で採用が決まりました!
また、永住者以外のワーホリさんや学生さんは、ビザについて聞かれることも多いかもしれません。嘘はつかず、正直に答えましょう。ビザの残り期限が短い場合でも、繁忙期などの短期で働いてもらいたいなど、利害が一致するかもしれません。
面接では、英語がどれだけ流暢に話せるかより、ポジティブな態度が大事です。一緒に働きやすい誠実な人柄であることを、自信をもってアピールしましょう!
メールアドレスがわかる場合は、面接当日、遅くとも翌日には面接のお礼のメールを送ると良いです。しばらく経っても面接の合否の連絡がない時は、メールや電話でフォローアップを入れましょう。
You are Hired! 仕事が決まった !
面接が上手く行って、採用の連絡が来たら…おめでとうございます!!雇用先から「Job offer」をもらいましょう。ポジションや時給やシフト、仕事の開始日、試用期間、休暇の取り決めなどが書かれた契約書になります。内容をよく読み、納得できたらサインをして、雇用の契約完了となります。飲食店など個人経営の職場では、電話口など口頭で済まされることもありますが、せめてメールなどの書面に残すようにお願いしましょう。
何故なら、筆者、現在進行形で時給が間違えられたままだからです…。面接の時に口頭で言われただけだったので、なあなあになっています…
カナダ、ケロウナでの仕事探しまとめ
- テンプレートを使ってカナダ式レターサイズのレジュメを作る。PDFで出力、印刷しておく。
- 求人を探す方法は色々ある。応募する数も質も大事にしよう。
- オンライン(求人サイト・クラシファイド・自社サイト・SNSなど)※ 鮮度が命!
- 知人・学校に紹介してもらう
- 直接応募(レジュメドロップオフ・メール)
- 面接は電話連絡からが多数。電話でのプリスクリーニングも有り。
- 面接はカジュアルめ、英語での練習とシミュレーションをこなし、人柄をアピールしよう。
- Job Offerは書面でもらおう。
いかがでしたでしょうか?ケロウナブログなのでケロウナローカルに特化した部分もありますが、きっとカナダ全土で共通して使える、仕事探しのコツをお伝えできたのではと思います。
筆者は20件応募のうち、3件採用、1件辞退し、2件の職場をかけもちと言う結果になりました。2つとも異なる職種、全く違った職場の雰囲気で、どちらもそこそこのストレスはあれど(笑)、楽しく働いています。筆者はカナダの違う都市でも長年働いてきましたが、ケロウナに引っ越してからはずっとフリーランスの在宅で仕事をしていました。今、たくさんの人と一緒に働くことがとても新鮮で、久しぶりにカナダの職場環境や文化を学べるので、大変なことはたくさんありますが外での仕事を始めて良かった、と思うことばかりです。
筆者はビザの期限もなくカナダ暮らしも長いので、2週間ほどで仕事探しを終えることができましたが、ワークビザに制限があったり、カナダに来たばかりの方の仕事探しはもっともっと長期戦で、大変になるかもしれません。周りと比べて焦ったりすることもあるかと思います。でも大丈夫!そんな方にこの記事が、仕事探しのお役に立てましたら幸いです。カナダで、ケロウナでの新生活、応援しています!
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